スイス 学校訪問④

公文レザン・アカデミーという高校も、レザン・アメリカン・スクールと同じで、全寮制の高校です。

でもここは、ほとんどが日本人です。
日本人の高校生が、スイスの大自然の中で寮生活をしながら、3年間勉強して、卒業すると日本の大学に行ったり、インターナショナル・バカロレアという資格を取って、アメリカの大学に進んでいます。

英語の授業、英語での討論会、英語で行う社会の授業、コンピューターの授業と、様々な授業があり、クラブ活動があり、夕食の後は自習、22時以降は部屋での時間で、その後は消灯です。
これが月曜から木曜までの1日のスケジュールで、金曜日は夕食の後は自由です。

これが寮での生活で、食事は学校のカフェテリアで、バイキング式で食べます。


※インターナショナル・バカロレアとは、世界で最も権威のある高校卒業程度認定制度の事です。
ジュネーヴに本部があります。
現在、世界100か国、約800校の高校が採用していて、イギリスのオックスフォードやケンブリッジ、アメリカの有名な大学などは、そのディプロマ(卒業資格証書)取得者に優先的入学資格を認めています。

カリキュラムは、高校2年間のためのディプロマ・プログラムと、小中学校のプログラムがあり、コレ-ジュ・デュ・レマン、レザン・アメリカン・スクール、公文レザン・アカデミーを始め、スイスでは多くの学校が採用しています。

日本では、これを採用している学校はごくわずかですが、学校の多様化と国際化が叫ばれる中、このカリキュラムの採用を唱える研究者、政治家が増えて来ています。

スイス 学校訪問③

エーグルの小学校の場所を見てみると分かるのですが、エーグルは登山電車の始発駅になっています。

レザンという駅のすぐ近くには、レザン・アメリカン・スクールと日本の公文レザン・アカデミーという私立高校とが、隣り合わせにあります。

山の上で通えないので、全員が寮に入って生活しながら勉強しています。

世界中から来た高校生が、一緒に寮生活をするのです。
きっといろんな国の言葉が飛び交っている事でしょう。

寮は3人一部屋で、なるべく異なった(違う)言葉で話す人を一緒にしています。
学校では部屋に入ると英語と母国語を使っています。
もちろん日本人もいます。

この学校の卒業生には、「ロッキー」で主演した世界的に有名な俳優シルベスター・スタローンがいるのです。


※レザン・アメリカン・スクールでは、社会福祉活動が、子供の生活の中で大きな役割を果たしています。

日頃から募金活動や奉仕活動をしたり、海外に出掛けてボランティア活動に参加する事もあります。

毎年11月に行われる強化週間には、生徒全員が体育館に集まり、ロウソクの火の下で、貧困や飢餓と戦っている人々の事を考えながら、朗読をしたり、歌を歌ったりします。



スイス 学校訪問②

スイスの公立の小学校の1クラスの人数は多くても25人位です。

地方によって差はありますが、外国人の比率は高いです。

またスイスの学校には落第制度があります。
ですが、その子のレベルに合ったクラスで勉強するためですから、少しも恥ずかしい事ではないのです。

エーグルの公立小学校などは、建物も立派で校庭も広いです。
グループで仲良く登校します。

自転車通学の上級生もいます。

※スイスの教育制度は、州によって大きく違っています。
義務教育は、基本的には小学校(6歳からの6年間)と中学校(12歳からの3年間)ですが、州によって、義務教育の合計が8年間だったり9年間だったりします。
また使用言語やカリキュラムなども違っています。
スイス全土として統一された教育制度がなく、日本の文部科学省のような存在もありません。

中学校の教育は多様な学校、コースに分かれており、大別すると普通高校と職業訓練学校があります。スイスでは、どんな資格を持っているかが就職を左右します。
そのため資格を取るために、実地に専門分野が学べる職業高等学校に進学する子供たちは多く、全体の80%近いと言います。さらに専門知識を学ぶ時は、高等専門学校へと進みます。

一方、高等学校に進学した子供たちは、卒業時に国家試験を受けます。
これに合格すると卒業証書を取得でき、同時に大学進学の資格となります。
(ィンターナショナル・バカロレアもこうした資格の1つです)

※ウスター市の小学校5年生の授業科目の例ですが、ドイツ語、フランス語、英語、算数、芸術、総合、会話、聖書などです。

ドイツ語、フランス語と英語、また芸術、算数を選択して学習します。

総合は社会、理科の総合科目で、芸術は音楽、図工、家庭工作です。

スイス 学校訪問①

スイスには、国際都市らしく、色々な種類の学校があります。
世界各国の子供が通う学校もあるようです。

①コレ-ジュ・デュ・レマン

スイスには国際機関がたくさんあります。
ですから外国人もとても多いです。
そういう人達の子供が通うコレ-ジュ・デュ・レマンという学校が、ジュネーヴ郊外のヴェルソワにあります。

学校の看板が英語とフランス語で書いてあります。
フランス語でエコール(Ecole)は学校の意味です。

コレ-ジュ・デュ・レマンは1960年に設立された学校で、幼稚園から高校までの一貫した教育を行っている私立の学校です。

日本人を含め、世界数十か国の国籍を持つ子供がいます。

ィンターナショナル・バカロレアのカリキュラムにより、卒業後イギリス、アメリカ、カナダなど、世界中の大学へ進学する子供が多いです。


※スイスにある主な国際機関

ILO国際労働機関(ジュネーヴ)

WWF世界自然保護基金(ジュネーヴ)

IOC国際オリンピック委員会(ローザンヌ)

IUCN国際自然保護連合(グラン)

WHO世界保健機関(ジュネーヴ)

WTO世界貿易機関(ジュネーヴ)

スイス チーズ作り

チーズの作り方の図


         モーニングミルク(80kg) イブニングミルク(160kg)
                   ↓         ↓
        
                   大なべで混ぜる
                        ↓
遠心力で分離させる←ホエ-←(チーズの質の分かれ道)→チーズ・フレッシュ→精製する
     ↓          ↓                                     ↓    
脂肪ゼロのホエ-   (幾つかの工程を踏んで)                  精製されたチーズ
     ↓          ↓                          (不純物を取り除いたチーズ)
   ブタのエサ     セラクチーズ
               (白い四角いチーズが出来る)
                ↓
               ホエ-クリーム
                ↓
               バター  


モーニングミルクは、チーズとは別に、コーヒーやデザートの生クリームとしても使われます。

※モーニングミルク(朝に絞ったミルクの事)
※イブニングミルク(夕方に絞ったミルクの事)
※ホエ-(チーズを作る時にチーズ・フレッシュと分かれた液の事)


1.朝と夕方に絞った牛乳を合わせて鍋で熱する

2.ゆっくりかき混ぜる

3.布でこす

4.味見をする

5.圧縮した後、塩をまぶして約6カ月ねかせる


スイスの小学校の子供達が、チーズ作りを見学に行く事があるそうです。
(塩分の入っていない出来たてのチーズは、日本では滅多に食べられませんね)

出来たてのチーズは、温かくてやわらかくて、豆腐みたいです。

スイスの代表的な料理

スイスの料理で有名なのは、チーズ料理とジャガイモ料理です。

日本でも良く知られているチーズ料理の代表がチーズ・フォンデュですが、鍋にニンニクをこすり付けて香りを付け、チーズとワイン、好みでコショウなどを加えて火にかけます。

トロトロに溶けたチーズを、柄の長いフォークに刺したパンに付けながら食べます。

フォンデュはフランス語で「溶けた」という意味で、チーズのほかにもチョコレートを使った甘いものもあります。

ですがスイスの人がいつもチーズ・フォンデュを食べている訳ではありません。
どちらかと言えば、お客さんが来た時など、人数が集まった時に、ワイワイと話をしながら食べるのにピッタリの冬の料理なのです。

スイスの料理にはチーズのほかに、ジャガイモも良く使われます。
一般的なのはレシュティで、茹でたジャガイモを細切りにして、油をひいたフライパンで焼き色を付け、揚げタマネギやベーコン、チーズを加えて作ります。

またスイスは、ほかのヨーロッパ諸国に囲まれているため、料理にもそれらの国々の影響が表れていて、肉料理、魚料理、野菜料理など変化に富んでいます。

1日のメインの食事は、温かい昼食です。
夕食はあまり火を使わない軽い食事が中心で、パンとハム、チーズ、サラダ、冬はスープなどを添えます。

※ラクレットも代表的なチーズ料理です。
分厚いチーズを半分に切り、切り口を火で温めて溶かし、これを茹でたジャガイモに付けて食べます。

(チーズの切り口を火であぶる→溶けた部分をナイフでそぎ落とす→茹で上がったジャガイモにかけて、チーズが温かいうちに食べます)

ですがスイスでは、家族や友達と食事をする時は、会話が何よりのご馳走になると良く言います。



スイス 家の中の様子

スイスでは、窓辺に花を飾ったり、庭の手入れをする事を、市や街の条例で定められている所もあります。スイスの家はどれも、お花がとても良く似合います。

綺麗なスイスをみんなで守って行こうという気持ちの表れなのだと思います。

旅行していても、どこもかしこも、街も通りも、お店も、ホテルも、駅でも、家にも、至る所に花があり、花が飾られていて、「こんな所にも?」と思う場所にも花がありました。

ゴミを捨ててはいけないとか、犬の糞用のゴミ箱(糞ボックス)があったり、自然も綺麗ですが、街も村も、通りも、家も建物も、清潔で綺麗に保たれていました。
街にも村にも、通りにも、ゴミひとつ落ちていないのです。

ほんのちょっとした所でも、ほんの少しの事でも、清潔に綺麗にする工夫がされていて、感心しました。ホテルも安くて小さなホテルでも、清潔で快適に過ごせました。

お土産屋さんに入った時、日本語を話せるスタッフの方とお話をした時、「本当に綺麗な国ですよね」と言っていました。

グリンデルワルトで、現地の方とお話をした時は、「最近は年々、家を建てるのも厳しくなっていて、理由はこれ以上、家が増えると景観を壊してしまうから」という事でした。

観光の国という事もあるのでしょうけれど、自分達の国は自分達で守るという意識が強く、それだけ美しい自然と景観を守るという事を大切にしているのだなと思いました。

実際スイス人の友人のお宅に行って、食事を頂いた事がありましたが、窓辺を花で綺麗に飾った家で、居心地の良いリビング、小さいけれど使いやすいキッチンと、家の中もとても清潔で綺麗でした。

スイス 市民の暮らし

大きな都市で働く人の多くは、街の中心部から少し離れた、郊外の庭のある家に住んでいます。
(チューリッヒ郊外の家並みも自然も、とても綺麗です)

街の中心部があまり大きくないため、車なら15分位ですぐに郊外へ行く事が出来、街と自然の両方を楽しみながら生活出来ます。

また昼食は、大人も子供も家に帰って来て、家族みんなで一緒に食べるのが普通です。

晴れた夏の日などは、テラスや庭で食事をする人を良く見掛けます。
夏の空気はカラッとしているので、30度を超える日でも日陰に入れば、それほど暑くなく、ほとんどの家にはクーラーが付いていません。

自然の中で生活する事が出来るスイスの人達には、屋外で食事をしたり、週末にバーベキューをしたりという事は、ごく自然な事のようです。

わざわざ遠くまで出掛けなくても、ゆっくりとした時間を過ごす事が出来ているようです。

オープンカフェで昼食を楽しむ人々もいます。

スイスはスーパーにもお昼休みがあります。
スーパーだけではなく、お昼休みのあるお店はたくさんあります。
夕方も18時半にはほとんど閉まってしまいますし、日曜日はお休みです。

私もスイスに行った時は、街でも村でも、お店はどこもお昼休みがあり、夕方早くに閉まってしまいました。

スイスにはどこへ行っても、チョコレートが売っていました。

※チョコレートの原料のカカオは、アフリカやブラジルの特産物です。
それにも関わらず、スイスのチョコレートが世界的に有名になったのは、スイス人がミルクチョコレートを発明したからなのです。

もともとカカオはココアとしては飲まれていたのですが、それに牛乳を加えて固形にし、口では溶けますが手では溶けにくいミルクチョコレートを作るために、色々な工夫がされました。

スイスでこのチョコレートの作り方が発明され、実際に作られるようになったのは19世紀頃です。

今ではナッツやドライフルーツなどが入ったもの、やわらかいもの、固いものなど、様々なチョコレートが世界中で売られるようになったのです。

こうして見ると、チョコレートもスイスの文化なのではないでしょうか?

スイスの4大都市③

スイスの4大都市。

首都ベルン、大都市チューリッヒ、国際都市ジュネーヴ、港の街バーゼルと、それぞれに特徴があり、街の様子も違います。

スイスでは秋から冬にかけては焼き栗屋さんを見掛けます。

スイスの街では犬を連れている人を良く目にします。
それと同じように多いのが、犬の糞を捨てるためのビニール袋とゴミ箱(犬の糞ボックス)です。
スイスのきれいな街は、こんなところからも守られています。

スイスの街の見どころは?と言うと、「清潔さ」だと思うのです。
スイスって本当にきれいな国です。

スイスの街角では、新聞の自動販売機を良く見掛けます。
日曜日は新聞の休刊日ですが、日曜日でも買える新聞もあります。

またスイスなのに、日本車を使ったタクシーを見掛けます。
スイスに限らずヨーロッパでは、日本の小型自動車が人気です。

※国際赤十字についてですが、スイス人アンリ・デュナンの「戦争で傷付いた兵士は、敵味方の区別なく、同じ人間として救わなければならない」という考え方を受けて、1863年に赤十字国際委員会が、さらに1919年には平和活動を行う国際赤十字・赤新月社連盟が創設されました。

現在は176カ国にある赤十字社と共に「国際赤十字」として、世界中で人道的な活動をしています。アンリ・デュナンの生地ジュネーヴに、本部が置かれています。

スイスの4大都市②

チューリッヒは人口40万人のスイスで一番大きな都市です。
紀元前から北イタリアと北ヨーロッパを結ぶ交通の要として発展して来ました。
その頃は、リンデンホフの丘に税関が置かれていました。
チューリッヒという名前は、その税関の名前「トゥ-リクム」から来ています。
チューリッヒの街を流れるリマト川は、チューリッヒから流れ出ています。
チューリッヒには国際空港の「クローテン空港」もあります。

ジュネーヴですが、街の周囲のほとんどをフランスに囲まれ、公用語もフランス語です。
西ヨーロッパ一の広さを持つレマン湖の、一番西のほとりにあります。
国際連合のヨーロッパ本部のほか、国際機関が多く、外国人の数は市民の3分の1にも上ります。

サン・ピエール寺院を中心とした旧市街は2000年の歴史を持ち、その街並みは何百年も前にタイムスリップしたようです。
悠大な自然に囲まれたジュネーヴの街はとても美しく、ジェット噴水は有名です。

レマン湖に噴き上がる大噴水、ジュネーヴの旧市街、またジュネーヴ大学内には、フランスから招かれ、スイスの政治や教会の改革を指導したカルヴァン達の記念碑があります。

バーゼルはチューリッヒに続くスイス第二の都市です。
ドイツ、フランスと国境を接しており、スイスで一番大きな河川の港を持っています。
また色鮮やかなバーゼルの市庁舎が、とても印象的です。