アルプスと平和の国⑫ スイス建国の地(5) 四森州湖畔

四森州湖を囲むようにして、シュヴィーツ州、ウーリ州、ウンターヴァルデン州、ルツェルン州と、4つの州がありますが、スイス建国の基となったのはシュヴィーツ州、ウーリ州、ウンターヴァルデン州の3つの州ですが、ルツェルン州も歴史を見ると、少なからず建国に関係があったようです。

ルツェルンという地名の語源や意味は分からないのですが、建国の基になったシュヴィーツ州、ウーリ州、ウンターヴァルデン州と共に、13世紀からは交通の要として栄え、18世紀には「スイスの首都」でもあったそうです。

当時は人口も「スイス一」だったそうです。

高級リゾート街ではなく、あらゆる層の旅行者がいる親しみやすい観光地だと聞きました。
私はルツェルンを訪れた時、

「どうしてこんなに外国に来たという感じがしないんだろう?」

「どうしてこんなに懐かしい気持ちになるんだろう?」

「他の街と違って、どうしてこんなに気持ちが落ち着くんだろう?」

と思っていたのですが、それを聞いて理由が分かりました。
中世の面影が残る街であり、色んな層の人がいる親しみやすい街だったのですね。

ワグナーもニーチェも、トルストイもマーク・トゥエインも、みんなこの街を散策したのだそうです。

ロイス川に掛かる屋根の付いたカぺル橋とシュプロイヤー橋は有名で、特にカぺル橋は、街のシンボルであり、橋の途中に灯台を兼ねた「見張りのための塔」があり、「水の塔」と言うようです。
個人的には、実際に観光に行った時に、目の前で見ましたが、毎回旅行ガイドブックや写真集で見ても、とてもかわいらしい建物だと思います。

カぺル橋の屋根には、ルツェルンの守護聖人の生涯を描いた絵が、100枚ほどあります。
これはカぺル橋を渡った時に見ました。

シュプロイヤー橋にも、カぺル橋と同じで、橋の屋根に絵が描かれています。
橋の中ほどには、小さな礼拝堂があります。

カぺル橋は1993年に火災に遭い、一部を残してかなりの部分が焼失したそうですが、翌年には、焼失部分が忠実に復元されたそうです。

永世中立国スイス発祥の地域でもあり、美しい湖とアルプスに囲まれ、中世の面影を残す旧市街には、歴史のある噴水や美しいフレスコ画が描かれた建物が点在します。

美術館や博物館も多く、冬には謝肉祭、夏には国際音楽祭が開かれているようです。

首都ベルンもそうだったのですが、川の色が緑色に見えるのは、周りが緑に囲まれているためでしょうか?
川や湖には美しい白鳥が泳いでおり、レストラン付きの湖上遊覧船が頻繁に出ています。

私はルツェルンを訪れた時に、川と湖のほとりを散策し、川のほとりに座り、しばらくの間、くつろいでいました。
外国に来たとは思えず、とても気持ちが落ち着き、いるだけでホッとした事を覚えています。
初めて来た場所なのに、とても懐かしい感じがしたのです。

湖は人の心を癒すのでしょうか?
水があると、人は安心するのでしょうか?

湖畔の街、湖畔の観光地であるという事、それも私が懐かしさを感じた理由なのかもしれません。